カーシェアリング市場動向
2017年第四四半期:主要5社

主要5社合計ステーション数は14,000箇所目前!
合計車両台数は25,000台を突破!

カーシェアの情報比較サイト「カーシェアリング比較360°」( https://www.carsharing360.com ) カーシェアリング市場を独自に集計したデータ(主要5社)によると、2017年第四四半期(2017年10月~12月)のステーション数は2017年9月末に比べ3.1%増加、車両台数は3.6%増加していることがわかった。

2017年第二四半期(対2017年第一四半期 ステーション数:4.9%増、同車両台数:6.7%増)ではステーション数・車両台数の伸び率が揃って増加したが、今期は2017年第三四半期(対2017年第二四半期 ステーション数:3.7%増、同車両台数:4.4%増)から二期続けて、ステーション数・車両台数ともに伸び率では減少する結果となったものの、依然として増加傾向を示している。

タイムズ カー プラス、オリックスカーシェア、カレコ・カーシェアリングクラブ、カリテコ、アース・カーの主要5社における合計ステーション数は13,769箇所となり、14,000箇所を目前となった。車両台数も25,000台を超えて25,826台となり、26,000台目前に迫っている。事業者別に見ると、変わらずタイムズ カー プラスの独走が続いており、前期(677台増加)とほぼ同程度となる697台の増加となった。
カレコ・カーシェアリングは、前期の335台の増加に対して、今期は140台と約半数の増加にとどまった。またステーション数では61箇所増加したカレコ・カーシェアリングクラブは全体で1506箇所となり、前期と比べ少し差を広げたものの第2のオリックスカーシェアの1633箇所に肉迫している。今期もステーション数、車両台数ともに順調に数を増やしたタイムズ カー シェアとカレコ・カーシェアリングクラブのステーション拡大基調は、まだまだ続くものと思われる。

その他の話題としては、10月にオリックスカーシェアを運営するオリックス自動車が、カーシェアリング事業で駐車場事業を手掛ける日本パーキングとの業務提携を発表。今年度内に日本パーキングが展開する首都圏エリアの駐車場のうち150拠点にカーシェア車両を設置する予定だ。また同月、オリックス自動車はNTTドコモが11月8日に開始したモビリティサービス「dカーシェア」とレンタカー、カーシェアリング事業で連携することも発表した。他にも、12月には日産自動車がカーシェアリングサービス「日産e-シェアモビ」を国内で2018年1月15日から開始することを発表。ホンダもカーシェアリングの利便性を組み合わせた会員制レンタカーサービス「エブリ・ゴー」を大阪地区で開始した。異業種のドコモや自動車メーカーの参入により、さらに利用しやすい環境が整ったカーシェアリング。2018年第一四半期も、カーシェアリング市場動向からますます目が離せない。

主要5社のステーション数、車両台数の推移は以下の通り。

1) サービス提供会社別 ステーション数推移(主要5社 2017.10~12)

2) サービス提供会社別 車両台数推移(主要5社 2017.10~12)

3) 都道府県別 ステーション数推移(主要5社 2017.10~12)

4) 都道府県別 車両台数推移(主要5社 2017.10~12)

<2017年第四四半期 主要トピックスまとめ>

オリックス自動車、日本パーキングと業務提携。
日本パーキングの駐車場にカーシェア車両を設置。

オリックスカーシェアを運営するオリックス自動車が、カーシェアリング事業で駐車場事業を手掛ける日本パーキングとの業務提携を発表。今年度内に日本パーキングが展開する首都圏エリアの駐車場のうち150拠点にカーシェア車両を設置する予定だ。
今後、オリックス自動車はカーシェア事業の拡充のために、中部、関西エリアにも協業を広げていくとのこと。今回、オリックス自動車が駐車場大手と協業したことにより、自社駐車場の活用や一体運営でカーシェア事業を急速的に拡大している「タイムズ カー プラス」のパーク24や「カレコ」の三井不動産リアルティにどこまで迫ることができるのか注目が集まる。いずれにしても、今回のオリックス自動車の業務提携によって、カーシェア市場全体の規模拡大にさらなる勢いがつくものと思われる。

オリックス自動車が、NTTドコモと連携。
「dカーシェア」で「オリックスカーシェア」の利用が可能に。

オリックス自動車はNTTドコモが11月8日に開始したモビリティサービス「dカーシェア」とレンタカー、カーシェアリング事業で連携することを発表した。これにより「dカーシェア」の利用者は、「オリックスカーシェア」を初期費用・月額基本料なしで、15分220円から利用することができる。
これまでの「オリックスカーシェア」の個人Aプランでは、200円/15分の時間料金とは別に15円/1kmの距離料金がかかったが、「dカーシェア」のプランでは15分~6時間パックの利用まで距離料金が0円と実質値下げの料金設定になっているため、利用者は何㎞走行したかを気にせずに安心して利用することができるようになっている。

日産自動車がカーシェア事業に参入。
カーシェアリングサービス「日産e―シェアモビ」開始へ。

2017年12月8日に日産自動車は、2018年1月15日より日本国内でカーシェアリングサービス「日産e―シェアモビ」のサービスを開始することを発表した。カーシェアに使用する車種は、日産の先進技術を体感できる電気自動車(EV)の新型「リーフ」と「ノートeパワー」で、まずは3月末までに東京、神奈川、静岡、大阪、兵庫、滋賀、京都、奈良、和歌山の9都府県30箇所にステーションを開設し、サービス提供を行う予定だ。
「日産e―シェアモビ」は入会金無料、月額基本料金18年7月末まで無料、15分200円の短時間利用だけでなくお得で多様な料金パックを設定、免許証を会員カードとして利用するなど、他の事業者に比べて入会ハードルが低く、これまでのカーシェアユーザーだけでなく、多くの新規ユーザーをも獲得することが予想される。日産自動車は将来的に、車種とサービス展開エリアを拡大し、サービスも拡充していく考えを明かしている。

ホンダがカーシェアサービス「エブリ・ゴー」を開始。
東京、横浜に続き大阪エリアにも展開。

ホンダは2017年12月から、大阪地区でカーシェアリングの利便性を組み合わせた会員制レンタカーサービス「エブリ・ゴー」のサービスを開始した。「エブリ・ゴー」は、ホンダが2013年11月から東京地区で行ってきた実証事業「ホンダカーズスムーズレンタカー」をリニューアルしたサービスで、2017年11月から東京地区と横浜地区でサービスを開始し、大阪で3地区目の展開となる。
2017年9月に発売された新型「N-BOXカスタム」をカーシェア車両として導入したホンダの「エブリ・ゴー」は利用者からの人気も高く、現在展開しているステーション数は91箇所で車両台数は142台。既に会員数は1万人に達している。