免責額0円!?知ってるようで知らないカーシェアの保険と補償の話 【レンタカーとは全然違うカーシェアリング3】

「カーシェアリングの利用料金には、保険料が含まれているから安心。しかも、加入手続き“なし”だから手軽に利用できます」。
カーシェアリングの保険について、こうした説明をよく眼にすることがあります。
しかし、このような説明は、「精確ではない」といえるかもしれません。

例えば、レンタカー。
誤解している人も多いかもしれませんが、実はレンタカーも基本料金(利用料金)に、保険料が含まれています。
例えば、大手レンタカー会社の場合、クルマを借りる際に車種の選択とは別に「標準コース」や「安心コース」などからコースの選択をしますが、このコースが実は保険の補償内容(※)のことなのです。
つまり、コースの違いが、補償内容の違いということになります。
レンタカーでは、車両のレンタル料金と補償内容を合わせた料金が、コース別に基本料金(利用料金)として設定されているのですね。

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※レンタカー会社によって補償内容は異なりますが、一般的に標準的なコースですと、例えば「対人補償 無制限、対物補償 3,000万円」のように「最低限の補償内容」になります。それよりもワンランク上のコースですと、「対人補償 無制限、対物補償 無制限」のように、充実した補償内容になります。

クルマを利用する際、レンタカーですと確かに有人の営業所で手続きをしなければならないので「手軽ではない」といえますが、しかし保険の手続きだけに関して言えば、貸し出し手続きとは別に保険加入の手続きを行っているわけではないので、その意味では「レンタカーの基本料金には、保険料が含まれているから安心。しかも、別途加入手続きは“なし”だから手軽に利用できます」といっても、間違いではないということになります。

だとすると、カーシェアリングとレンタカーでは、保険に関してはそれほど違いがないということでしょうか?

おそらく、このブログを読んでいる方の中には、「レンタカーの貸し出し手続きの際に、別途保険加入の手続きも行っているじゃないか」と思っていらっしゃる方もいるかもしれません。
確かに、貸し出し手続きとは別の加入手続きを任意で行っています。
しかし、あの加入手続きは、いわゆる「保険」の加入手続きではありません。

あの手続き、実は「免責補償制度」の任意加入手続きなんです。

>カーシェアリング主要各社の「サービス比較一覧」はこちら

<レンタカーの「免責補償制度」とは?>

レンタカーの保険の場合、基本的にコースに関係なく「免責金額」が設定されています。
「免責金額」とは、万が一事故などを起こして保険を使う場合に、自己負担しなければならない金額のこと
です。
レンタカーで加入している保険の補償内容がたとえ「対物補償 無制限」、「車両補償 時価額」であったとしても、「免責額」は保険では補償してくれないので、自己負担しなければなりません。
例えば、車両補償が時価額(※)、車両保険の免責金額が5万円の保険で、事故によるクルマの修理費が100万円の場合、5万円を自己負担し、残りの95万円が保険によって補償されることになります。

この自己負担分の「免責額」を支払わなくてもいいように補償してくれるのが、「免責補償制度」です。
一般的なクルマの場合ですと、免責補償制度の加入料は、一日で税込1,080円~2,160円程度になります。
皆さんが、レンタカー会社の営業所で加入していたのは、この補償制度だったというわけですね。

※保険による補償は、時価額(自己時点でのそのクルマの価値)までになります。例えば、時価額が90万円と査定された場合は、修理代が100万円掛かっても、保険からは90万円までしか補償されません。時価額は、レッドブック(クルマの時価額が書いてある本)によって決まっています。

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<カーシェアリングで「免責補償」は、どうなっているの?>

では、カーシェアリングの保険でも、事故を起こした場合は「免責額」を自己負担しなければならないのでしょうか?

ご安心してください!
一般的なサービス会社では、カーシェアリングの利用料金に「免責補償」分の料金も含まれています
なので、万が一事故を起こした場合も、免責額0円!
自己負担の必要はありません。
もちろん、レンタカーのように別途加入手続きをする必要もありません。
これが、カーシェアリングとレンタカーの保険・補償に関する最大の違いです。

それだけではありません。
カーシェアリングの保険は、レンタカーの標準的な保険よりも補償内容が充実しています。

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<カーシェアリングの一般的な補償内容について(※)>

カーシェアリングの標準的な補償内容は、以下の通りです。

  • 対人補償: 1名につき 無制限(自賠責保険含む。免責額0円)
    ※「対人補償」とは、他人を死亡させたり、けがをさせたりした場合の補償です。
  • 対物補償: 1事故につき 無制限(免責額0円)
    ※「対物補償」とは、他人の車や物に損害を与えた場合の補償です。
  • 車両補償: 1事故につき 時価額(免責額0円)
    ※「車両補償」とは、利用しているカーシェアリング事業者の車両に損害を与えた場合の補償です。
  • 人身傷害補償: 1名につき 3,000万円~無制限
    ※「人身傷害補償」とは、ご自身や同乗者が死傷した場合の補償です。

※補償内容の詳細は、各サービス会社により異なります。詳しい補償内容については、各サービス会社のWebサイトをご確認ください。

一般的なレンタカーの標準的な補償内容も載せておきます。
<標準コース>

  • 対人補償:無制限(免責額あり)
  • 対物補償:3,000万円(免責額あり)
  • 車両補償:時価額(免責額あり)

標準的なレンタカーの補償内容は、「対物補償:3,000万円」なんですね。
カーシェアリングは「対物補償:無制限」無制限ですから、カーシェアの方が補償内容が充実しているといえますね。
そして、レンタカーのように別途料金なしで、免責額0円になるので、その点でもカーシェアの方が補償内容も厚いといえるでしょう。
なによりも、レンタカーのような「手続き」が「なし」というところが嬉しいですね。

>カーシェアリング主要各社の「サービス比較一覧」はこちら
>カーシェアリングの「保険・補償内容に関する詳細」はこちら

<カーシェアリング大手3社の保険・補償内容>

各社の保険・補償内容を知りたいという方もいるでしょうから、大手三社の保険・補償内容についても見ておきましょう。

  • タイムズカーシェア
    対人補償/1名につき 無制限 (自賠責補償 3千万円を含む)
    対物補償/1事故につき 無制限 (対物免責額0円)
    車両補償/1事故につき 時価額 (車両免責額0円)
  • オリックスカーシェア
    対人補償/1名限度額 無制限(自賠責保険含む。免責額0円)
    対物補償/1事故限度額 無制限(対物免責額0円)
    車両補償/1事故限度額 時価額(車両免責額0円)
  • カレコ
    対人補償/1名限度額 無制限
    対物補償/1事故限度額 無制限(対物免責額0円)
    車両補償/1事故限度額 時価額(車両免責額0円)

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つまり、「カーシェアリングの利用料金には、保険料が含まれているから安心。しかも、加入手続き“なし”だから手軽に利用できます」という文章の正確な意味は、
「カーシェアリングの利用料金には保険料とともに免責補償分の料金も含まれているから、安心。しかも、レンタカーのようにわざわざ「免責補償制度」に任意で加入する手続きがいらないから手軽に利用できる」ということであるわけです。

カーシェアリングとレンタカーを比べると、カーシェアリングの補償制度はかなり充実しています。
補償内容は対人・対物補償「無制限」が一般的ですし、免責補償もついているので、保険・補償面からみるとレンタカーと比べて、いかにカーシェアアリングの方が安心で、いかに手軽であるかということがよくわかりますね。

>カーシェアリングの保険・補償内容に関する詳細はこちら
>各社の保険・補償内容以外のサービス詳細についてはこちら

<補償が適用されない場合は?>

ただし、保険が適用されないケースもあります。
でも、安心してください。
普通に利用していれば、保険は適用されます。
保険が適用されない例としては、例えば「約款に違反している場合」などです。

以下では、カーシェアリングで保険が適用されない標準的なケースをご紹介しておきます。

・事故時に警察および当社へ連絡を行わなかった場合(事故証明がない場合)
・故意の事故の場合
・貸渡約款に違反している場合
・使用、管理上の落ち度があった場合

以上のような場合には、保険が適用されません。
保険が適用されない場合は、利用者の負担になりますので、くれぐれもルールを守って安全運転を心掛けてください。

<関連記事>カーシェアリングの保険・補償内容に関する詳細 | カーシェアリング比較360°

<ノン・オペレーション・チャージって何?>

ここまでカーシェアリングの補償の話をしてきましたが、もし事故などを起こしてしまった場合、保険の対象にならない補償対象外のものもあります。
カーシェアリングを利用中に、事故や過失等によって、車両の修理や清掃が必要となった場合、その期間の営業補償として補償金額を支払う必要があります。
それがノン・オペレーション・チャージです。
ノンオペレーションチャージは、「営業補償」ですので、上で説明した事故を起こした場合の「免責額」(対物免責額・車両免責額)とは異なります。
ノン・オペレーション・チャージの金額については、各カーシェアリング事業者によって異なりますが、以下のような金額設定が標準的です。

・自走し、カーステーションに返却した場合:20,000円
・自走できず、カーステーションに返却できなかった場合:50,000円

ノン・オペレーション・チャージは、レンタカーでも発生します。
レンタカーでも上記の金額が標準的な設定です。

<関連記事>カーシェアリングのノンオペレーションチャージについての詳細 | カーシェアリング比較360°

思わぬトラブルに巻き込まれないために、レンタカーを利用するにしても、カーシェアリングを利用するにしても、ぜひ補償内容を確認し、しっかりと理解した上で利用するようにしてして下さい。