世界新車販売台数で熾烈な戦いを繰り広げているトヨタ自動車とフォルクスワーゲン(VW)。
2019年(1月~12月)の世界総販売台数では、1,074万台のトヨタに対して、1,097万台と約23万台の差をつけて世界の販売台数1位に4年連続で輝いたVWでしたが、2020年(1月~12月)の世界総販売台数では、930万5,400台にとどまったVWに対して、952万8,438台を記録したトヨタが5年ぶりに世界No.1に返り咲きました!※
新型コロナウイルス感染症の世界的な蔓延もあって、2020年は例年より販売台数に減少が見られましたが、1,000万台には届かなかったものの、最終的には950万台まで販売台数を伸ばし、トヨタの底力を見せる結果となったといえます。
とはいえVWの力も侮れませんね。VWと言うと、ビートルやゴルフといった大衆車を思い起こされる方も多いと思われますが、グループ内に高級車の代名詞ともいえる「ポルシェ」、「アウディ」、「ランボルギーニ」、「ベントレー」といった別ブランドを持つVWは、2021年にはまた巻き返すことも予測されます。
2021年もトヨタVSフォルクスワーゲンの頂上対決から目が離せそうにありません。
ところで、今回のブログのタイトルでもある「世界No.1自動車メーカー」は、総販売台数だけで決まるものではありません。
総販売台数も含め、ブランド価値や品質、環境技術などの総合力で勝る自動車メーカーこそ、「世界No.1自動車メーカー」の名にふさわしいと思います。
ということで、今回は総合力で勝る「世界No.1自動車メーカー」がどこなのかを見極めるために、様々な点から自動車メーカーのランキングを見ていきたいと思います。
マイカーの購入を考えている方は、判断の際の参考にしてください。
<関連記事> レンタカーやマイカーとなにが違うの? | カーシェアリング比較360°
2020年!世界の自動車メーカー販売台数ランキングベスト3は?
まずは、2020年のTOP3(最速情報)の世界総販売台数を表にまとめておきましょう。
<2020年世界新車販売台数ランキングTOP3>
順位 | メーカー | 国籍 | 販売台数 |
1位 | トヨタ自動車 | 日本 | 952万8,438台 |
2位 | フォルクスワーゲン | ドイツ | 930万5,400台 |
3位 | 日産・ルノー・三菱グループ | 日本・フランス | 779万8,919台 |
3位も日本勢ですね。
ところで、2019年のTOP10はどんな顔ぶれだったのでしょうか?
2019年!世界の自動車メーカー販売台数ランキングベスト20は?
2019年の自動車メーカー販売台数の上位20位は、以下の通りです。
<2019年世界新車販売台数ランキング>
順位 | メーカー | 国籍 | 販売台数 |
1位 | フォルクスワーゲン | ドイツ | 1,097万台 |
2位 | トヨタ自動車 | 日本 | 1,074万台 |
3位 | ルノー・日産・三菱連合 | 日本・フランス | 1,015万台 |
4位 | ゼネラルモーターズ | アメリカ | 771万台 |
5位 | 現代自動車グループ | 韓国 | 719万台 |
6位 | 上海汽車 | 中国 | 623万台 |
7位 | フォード・モーター | アメリカ | 538万台 |
8位 | 本田技研工業 | 日本 | 517万台 |
9位 | FCA | イタリア | 441万台 |
10位 | PSA | フランス | 347万台 |
11位 | ダイムラー | ドイツ | 334万台 |
12位 | スズキ | 日本 | 300万台 |
13位 | BMW | ドイツ | 253万台 |
14位 | 長安汽車 | 中国 | 176万台 |
15位 | マツダ | 日本 | 149万台 |
16位 | 吉利汽車 | 中国 | 136万台 |
17位 | 長城汽車 | 中国 | 106万台 |
18位 | SUBARU | 日本 | 100万台 |
19位 | BYD | 中国 | 46万台 |
20位 | テスラ | アメリカ | 36万台 |
トヨタ自動車グループの販売台数は、トヨタ自動車、ダイハツ工業、日野自動車の合計です。
2019年度ではVWに敗れたとはいえ、やはり世界のトヨタは強いですね。
また、トヨタとVWに抜かれたとはいえ、GMも771万台と自動車大国アメリカのトップメーカーの実力は健在です。
日本メーカーでは、日産自動車も頑張っています。
ホンダの517万台もさることながら、スズキがかなり健闘していますね。
世界新車販売台数ランキング20位中、日本の自動車メーカーがなんと6社もランクイン。
改めていうまでもありませんが、日本の基幹産業はやはり自動車産業なんですね。
2020年!ブランド価値が高い自動車メーカーは?
新車販売台数では、トヨタとVWがTOP2でしたが、ブランド価値の世界No.1自動車メーカーはどこなのでしょうか?
世界的なブランドコンサルティング会社のインターブランド社が、毎年、”ベスト・グローバル・ブランド”を発表しています。
”ベスト・グローバル・ブランド2020″を元に、2020年の自動車メーカーのブランド価値ランキングを見てみましょう。
<2020年自動車メーカーのブランド価値ランキング>
順位 | ブランド | 総合順位 | 前年比 |
1位 | トヨタ | 7位 | -8% |
2位 | メルセデス・ベンツ | 8位 | -3% |
3位 | BMW | 11位 | -4% |
4位 | ホンダ | 20位 | -11% |
5位 | ヒュンダイ | 36位 | +1% |
6位 | テスラ | 40位 | New |
7位 | アウディ | 44位 | -2% |
8位 | フォルクスワーゲン | 47位 | -5% |
9位 | ポルシェ | 55位 | -3% |
10位 | 日産 | 59位 | -8% |
“ベスト・グローバル・ブランド” (Best Global Brands)は、グローバルな事業展開を行うブランドを対象に、財務状況やブランド力などを総合的に分析し、そのブランドの価値を金額換算して1位~100位までランク付けしたものです。
ブランドを対象としたランキングですので、総販売台数ランキングのようにグループ会社ごとの総計ではありませんが、このランキングでも1位はトヨタでした。
しかもトヨタは、総合ランキングで見ても7位とTOP10入りの快挙を成し遂げています。
TOP10内には、メルセデス・ベンツも8位でランクインしています。
対してフォルクスワーゲンは8位ではありましたが、同グループのブランドであるポルシェが9位にランクインしています。
グループとしての総合力は強いと言えるのではないでしょうか。
また対前年比をみると分かるように、コロナ禍もあってかヒュンダイ以外のメーカーはブランド価値が前年よりもマイナスになっています。
日産も総合59位で、自動車メーカーとしてはTOP10にランクインしています。
2019年総販売台数で8位だったホンダはブランド価値では日産よりも上位の4位です。
総販売台数ランキングと大きく異なる点は、GM、フォード、クライスラーがランクインしていないこと。
ルノーをはじめとするフランスのブランドもランクインしていませんね。
ちなみに、総合ランキングでの1位はApple。
2位以下は、Amazon、Microsoft、Googleと続いています。
信頼できる自動車メーカーは?
新車販売台数とブランド価値でトヨタがTOPに立ちましたが、品質の世界No.1自動車メーカーはどこなのでしょうか?
米市場調査大手J.D. パワーの2019年の米国自動車初期品質調査(Initial Quality Study: IQS)の結果を見てみましょう。
自動車初期品質調査の順位は、新車購入から3カ月経過したユーザーが指摘した不具合の数を基にしています。
<2019年自動車メーカーの自動車初期品質調査ランキング >
順位 | メーカー | 不具合件数※ |
1位 | ジェネシス | 63件 |
2位 | キア | 70件 |
3位 | ヒュンダイ | 71件 |
4位 | フォード | 83件 |
5位 | リンカーン | 84件 |
6位 | シボレー | 85件 |
7位 | インダストリー・アベレージ | 93件 |
8位 | メルセデス・ベンツ | 94件 |
9位 | キャデラック | 100件 |
10位 | BMW | 102件 |
「最も信頼できるクルマは?」と一般的なクルマの購入者に尋ねたら、おそらく「日本、ドイツ、米国、韓国」の順になりそうですが、J.D. パワーの今年の米国自動車初期品質調査によるとトップ3を韓国ブランドが独占しました。
また第4位から6位は米国のブランドが占めています。
J.D. パワーのサージェントによると、高級車ほどユーザーから批判される傾向があり、日本車がランク圏外になってしまったようです。
環境技術No.1の自動車メーカーは?
現在は水素自動車や燃料電池自動車など、環境への負荷を減らした自動車の開発に各社とも力を注いでいますが、では環境技術No.1の自動車メーカーはどこなのでしょうか?
残念ながら、世界中の自動車メーカーの環境技術をランク付けしたデータはなかったのですが、日本ではWWFジャパンが2015年2月24日に「企業の温暖化対策ランキング」の報告書を発表しています。
この報告書では、自動車メーカーやそのサプライヤーを中心する日本企業28社を調査し、100点満点で温暖化対策に対する取り組みに対して点数化・順位づけをしています。
少し古い情報になりますが、参考までに紹介しておきます。
<2015年国内自動車メーカー(その他)の温暖化対策ランキング>
順位 | メーカー | 得点 |
1位 | 日産自動車 | 87.5点 |
2位 | 本田技研工業 | 70.4点 |
3位 | 豊田合成 | 65.5点 |
4位 | トヨタ自動車 | 63.9点 |
以下、マツダ、スズキと続いています。
第1位の日産自動車は、調査対象の重要7指標中、長期的ビジョン、再生可能エネルギー目標、ライフサイクル全体での排出量の開示など計5つの指標で満点を獲得し、2位以下の企業に大差をつける結果となったようです。
これまでの成績を鑑みるとトヨタ自動車の4位というのは、ちょっと予想外の結果(?)ですね。
世界No.1自動車メーカーはどこなのか?
さて、「新車販売台数」、「ブランド価値」、「品質」、「環境技術」という4つの点から、No.1自動車メーカーのランキングを見てきたわけですが、世界No.1の自動車メーカーはどこだと言えるでしょうか?
トヨタは、「新車販売台数」だけでなく、ブランド価値ランキングでもTOPを獲得していました。
こうした結果を踏まえると、現状ではトヨタが世界No.1自動車メーカーであると言えるのではないでしょうか。
しかし、この世界No.1は2020年の調査を踏まえたものでしかありません。
今後、順位はどう変化するのか。
トヨタは現在の順位をキープできるのか。
世界の自動車市場における今後の競争がいまから楽しみですね。
乗り心地&満足度で世界No.1の自動車自動車メーカーは?
今回は様々なランキングをご紹介しましたが、マイカー購入を検討されている方は、参考になりましたでしょうか?
とはいえ、利用者にとって一番大事なのは、販売台数でもブランド価値でもなくて、「乗り心地」や「満足度」だと思います。
では、利用者視点に立ったクルマの乗り心地&満足度で世界No.1の自動車メーカーはどこなのでしょうか?
しかし、それは乗る人によって変わってくる問題。
実際に、ご自身でお試しになって判断していただくしかありません。
「すべてのメーカーのクルマに乗ることなんて無理」という声が聞こえてきそうですが、すべてのメーカーのクルマは無理でも、カーシェアリングを利用すれば、国内メーカーのクルマはもちろん、フォルクスワーゲンをはじめとする、多くの海外自動車メーカーのクルマにも乗ることができます。
<関連記事> ステーション検索|カーシェアリング比較360°
しかも、カーシェアリングならカーディーラーで試乗した後に経験するような、営業プッシュに会うこともありません(笑)。
ご自身のペースで、クルマの性能を確かめることが可能です。
<参考記事> 試乗車にも使える!カーシェアリングの賢い活用法【1】
マイカーの購入を検討されている方は、ぜひカーシェアリングを賢く試乗車代わりに利用して、満足のいくクルマをご購入してください!