withコロナ時代のカーシェア-カーシェア事業者の新型コロナウイルス感染症対策とカーシェア利用の注意点

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現在のWithコロナ時代において、新しい生活様式の実践が求められるなかで、多くの人々の行動様式も変化しました。

新型コロナウイルス感染症の終息がまだまだ見えない中、感染拡大への警戒からテレワークで業務にあたられている方がいる一方、通勤通学しなければならない方たちのなかには、できるだけ3密を避けるために満員電車での通勤をやめて自転車通勤に変えたという方もいます。

他にもマイカーや電動キックボードなど通勤手段は多様化しています。

また、通勤だけでなく、買い物や移動でも電車利用を控えるという方たちも多くいるようです。

こうしたなかで、今カーシェアもまた新たな移動手段のひとつとして注目されています

マイカーを所有していなくても、カーシェアを利用すれば3密を避けることができるからです。

プライベートスペースを確保できるので、ソーシャルディスタンスを取る必要もありません。

しかし、クルマはまた閉鎖空間でもあるので、前の利用者が新型コロナウイルスに感染していた場合、ウイルスが車内に残っていて自分もウイルスに感染してしまうのではないかという懸念の声も聞かれます。

カーシェアは新しい生活様式の実践例として適切なのか?
カーシェアの新型コロナウイルス感染リスクは?
カーシェアを利用する場合、利用者はどんな点に注意すればいいのか?
カーシェア事業者の新型コロナウイルス感染症対策は?

今回はwithコロナ時代のカーシェアリングについて考察したいと思います。

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カーシェアは新型コロナウイルスを想定した「新しい生活様式」の実践例か?


新型コロナウイルス感染症専門家会議からの提言(2020年5月4日)を踏まえて、2020年に厚生労働省が示した新型コロナウイルスを想定した「新しい生活様式」の実践例(※1)を見ると、カーシェア利用は「新しい生活様式」の選択肢の一つとして考えることができると思われます。

例えば、「新しい生活様式」の実践例の「(3)日常生活の各場面別の生活様式」に「公共交通機関の利用」についての記述がありますが、そこでは公共交通機関の利用を減らすために「徒歩や自転車利用も併用する」と書かれています。

こうした指針を元に、企業や自治体では公共交通機関の利用を減らすために、出勤時に徒歩や自転車通勤だけでなく、マイカーやタクシー、レンタカーやカーシェアでの出勤に切り替える動きも見られました。

自動車は、人と接触することなく目的地まで移動できるので、感染リスクが低いと考えられているためです。

こうした理由からコロナ禍では、自動車の価値が見直されています。

マイカーとともにカーシェアリングは、新しい生活様式の実践例であり、withコロナ時代の移動手段といえるでしょう。

※1、新型コロナウイルスを想定した「新しい生活様式」の実践例を公表しました|厚生労働省

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カーシェアの新型コロナウイルス感染リスクは?


厚生労働省によると、新型コロナウイルスは飛沫感染と接触感染によってうつるといわれています(※2)。

飛沫感染とは、「感染者の飛沫(くしゃみ、咳、つばなど)と一緒にウイルスが放出され、他の方がそのウイルスを口や鼻などから吸い込んで感染します。」

接触感染とは、「感染者がくしゃみや咳を手で押さえた後、その手で周りの物に触れるとウイルスがつきます。他の方がそれを触るとウイルスが手に付着し、その手で口や鼻を触ると粘膜から感染します。」

カーシェアを利用する場合、満員電車のような3密を回避することで、「飛沫感染」のリスクを低くすることができます。

カーシェアを一人で利用するなら、「飛沫感染」のリスクはないと言えるでしょう。

また、家族でカーシェアを利用する場合、同居家族の場合はすでに屋内で接しているわけですから、カーシェアが「飛沫感染」による感染リスクになることはありません。

ただし、友人や知人、会社の同僚などと一緒にカーシェアを利用する場合は、「飛沫感染」のリスクが考えられます。

カーシェアを利用する場合は、一人でまたは家族で利用すれば、「飛沫感染」のリスクをなくすことができます。

カーシェア利用での感染リスクは、「飛沫感染」によるリスクより「接触感染」によるリスクが高いといえます。

カーシェアリングは、複数のユーザーが利用するので、例えば自分が使う前に利用したユーザーが新型コロナウイルス感染者であった場合、ハンドルやシート、シフトレバーやドアノブなどにウイルスが付着していて、そこから接触感染してしまうリスクはゼロであるとは言えないからです。

多くの人が手を触れる満員電車のつり革や商業施設の扉、エスカレーターの手すりなどに比べれば、1台のクルマの使用者は限られているので、接触感染の可能性は確率的に低いと言えますが、リスクはゼロにはなりません。

このように、新しい生活様式に適合するカーシェアではあっても、新型コロナウイルス感染リスクはゼロではありません。

ただし、一人利用または家族利用の場合、飛沫感染のリスクはないといえます。

カーシェアリングを利用する場合は、飛沫感染対策よりも接触感染対策を徹底して行う必要があると言えるでしょう。

※2、新型コロナウイルスを防ぐには(厚生労働省)

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カーシェア利用時の新型コロナ感染対策として注意すべき点とは?

カーシェアを利用する場合、新型コロナウイルス感染症対策として利用者はどんな点に注意すればいいのでしょうか?

安心してカーシェアを利用するためにも、感染リスクを減らす対策を徹底しましょう。

■飛沫感染対策
1、「3密」を回避する
一人での利用や家族利用では、「3密」を避ける対策は必要ありませんが、友人や知人、会社の同僚などと利用する場合は密閉・密集・密接の状態を作らないように注意しましょう。

2、窓を開ける
「3つの密」のうちの「密閉」を避けるためには、窓を開けることが有効です。

窓を開けて換気し、エアロゾルが滞留するのを防ぎましょう。

3、マスクをつける
飛沫感染対策としてはマスクが有効であるといわれています。

特に家族以外の人が同乗する場合は、マスク着用を心がけましょう。

■接触感染対策
1、車内を消毒する
上にも書きましたが、カーシェア利用にあたって、新型コロナウイルス感染対策で最も注意すべき点は「接触感染」のリスクを減らすことです。

接触感染のリスクをなくすためには、車内に残っているかもしれない新型コロナウイルスを不活性化することが必要です。

カーシェアリングサービス事業者によっては、アルコール除菌シートが常備されているクルマもあります。

アルコール除菌シートが常備されている場合は、シートを使って人がよく触る可能性のある部分を重点的に拭いて消毒しましょう。

例えば、ドアノブやハンドル、シフトレバーやシートは消毒した方がよいでしょう。

アルコール除菌シートは常備されていないこともありますので、カーシェアを利用する場合は、消毒用エタノールなどの消毒液をご自身で持参し、それを使用して消毒することをお勧めします。

2、運転前に換気する
前の利用者が使用した際のエアロゾルが車内に滞留している場合もあります。

ある程度の時間、窓を開けて換気することで、空気の入れ換えをしましょう。

3、念のためマスクをつける
換気をすれば「飛沫感染」のリスクは低減しますが、前の利用者が使用した際のエアロゾルが残っている可能性がありますので、少なくともクルマの換気が終わるまではマスクを使用しましょう。

4、利用中は顔や鼻、目、口などの粘膜に触れない
車内を徹底的に消毒しても、ウイルスを不活性化しきれていない部分が残っていて、もしかするとその部分に手を触れてしまっていることもあるかもしれません。

ですので、カーシェア利用中は顔や目、鼻、口などは極力触れないようにしましょう。

5、利用した後には手洗いとうがいを徹底する
カーシェアを利用した後には、手をしっかりと洗って消毒しましょう。

手を洗うことができない場合は、持参の消毒液で消毒しましょう。

また、念のためにうがいも行いましょう。

これだけで、接触感染のリスクをほとんどなくすことができると思われます。

上に挙げた感染リスクを減らす対策を徹底して行い、安心してカーシェアを利用しましょう。

また、「微熱がある」、「風邪の症状がある」など体調が優れない場合は、カーシェアの利用は控えましょう。

ほとんど症状がなくても、新型コロナウイルス感染症に感染している可能性はゼロではありません。

そうした方がカーシェアを利用することで、他の利用者にうつしてしまう可能性もあります。

カーシェアは各事業者で違いはあるものの、キャンセル料は基本1時間前まで無料です。

体調に異変を感じた場合は、万が一のことも考えて、キャンセルしましょう。
<参考:迷ったら、即予約!使わないならキャンセルするだけ!【レンタカーとはぜんぜん違うカーシェアリング1】>

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カーシェア事業者の新型コロナウイルス感染症対策は?

カーシェア事業者は各社でそれぞれ新型コロナウイルス感染症対策を講じています。

ここでは、主要事業者がどのような対策を行っているのかをご紹介します。

■タイムズカーの新型コロナウイルス対策


タイムズカーは2020年2月16日に、「新型コロナウイルス感染症対策について」(※3)を更新しています。

対策内容としては、使い捨ての「除菌ウェットティッシュ」(成分:エタノール、塩化ベンザルコニウム等)を搭載しているとのことです。

また、「全国の車両において、定期巡回時に、会員様が手を触れられる部分を中心に清掃・消毒作業を強化しております」ということです。

また、タイムズカーでは利用者に対して、以下のような注意を促しています。

▼タイムズカーの利用者に対する注意喚起
(1)ご利用時には、窓を開けるなど充分な換気を行ってください。
ご利用前後の手洗いやマスク着用など咳エチケットの感染予防対策、ならびに、返却時にはゴミの持ち帰りや忘れ物の確認のご協力をお願いいたします。

(2)ご利用前後には、車両に搭載されている除菌ウェットティッシュをぜひご利用ください。ご利用後は持ち帰らず、次に利用される会員様のために所定の位置にお戻しください。

(3)新型コロナウイルスに感染している方、発熱・呼吸器症状などの新型コロナウイルスへの感染が疑われる症状がある方については、カーシェアのご利用はお控えいただきますよう、お願いいたします。

※3、タイムズカーの新型コロナウイルス感染症対策について

■オリックスカーシェアの新型コロナウイルス対策


オリックスカーシェアは公式Webサイトで、「新型コロナウイルス感染症予防における取組み」(※4)を発表しています。

取り組みの内容としては、以下の3点になります。

▼オリックスカーシェアの新型コロナウイルス感染症予防の取り組み
①カーシェア車両の衛生強化策について
・月3回巡回員による定期清掃を実施。
・ハンドル/ドアノブ/ダッシュボード/各種スイッチ類等、お客さまの手が触れやすい箇所は除菌剤を使用し、清掃を実施。

②カーシェア定期清掃員の衛生強化策について
必要に応じたマスクの着用、手洗いなどの感染予防対策を実施。

③車内備品の追加
消臭剤に加え、除菌スプレーを追加設置。

※4、オリックスカーシェアの新型コロナウイルス感染症予防における取組み

オリックス入会キャンペーン※現在、カーシェアリング比較360°では、オリックスカーシェアへのカーシェアリング比較360°限定お得な入会プランをご用意しています。

■ホンダ エブリゴーの新型コロナウイルス対策


ホンダ エブリゴーは2ホンダの公式Webサイトで、「新型コロナウイルス感染拡大予防に伴う対応について」(※5)を発表しています。

▼ホンダ エブリゴーの新型コロナウイルス感染症予防の取り組み
●清掃作業の強化
Honda EveryGoは、お客様により安心して車両をご利用いただくため、清掃・除菌作業を強化しております。

●車両ご利用前のお願い
カーシェアリングご利用前には、十分な換気を推奨致します。
また、後部のラゲッジスペースに「EveryGo Cleaning Kit」(除菌ウェットティッシュ、粘着テープ、消臭スプレー等)を備え付けておりますので、ハンドル/ドアノブ/各種スイッチ等お手を触れやすい場所の拭き上げ等にご利用下さい。

※5、ホンダ エブリゴーの新型コロナウイルス感染拡大予防に伴う対応について

■カレコ・カーシェアリングクラブの新型コロナウイルス対策


カレコ・カーシェアリングクラブは2020年4月13日(5月28日更新)に「新型コロナウィルス感染拡大防止のご協力のお願い」(※6)を発表しています。

▼カレコ・カーシェアリングクラブの新型コロナウイルス感染拡大予防のお願い
○ご利用時のお願い
ご利用の際、窓を開けてご利用いただく等、充分な換気を行ってください。
また、手洗いやマスクの着用、咳をされる際のエチケットなど感染予防にご協力をお願いいたします。
ご利用終了時には、クルマに搭載しているおそうじキットによる清掃、ゴミのお持ち帰り、忘れ物の確認をお願いいたします。
万が一コロナウイルス陽性者による車両利用が判明した場合は、直ちにご利用・ご予約を停止し、当該車両において消毒対応等の措置を行ってまいります。

※6、カレコ【5月28日更新】新型コロナウィルス感染拡大防止のご協力のお願い

■カリテコの新型コロナウイルス対策


カリテコは2021年1月14日に、「新型コロナウィルス感染症対策について」(※7)を更新しています。

▼カリテコの新型コロナウィルス感染症対策について
ご利用のみなさまには、感染拡散予防のために、ご利用前の車十分な換気、ご利用後の手洗い、うがいをお願いします。また、ご利用中についても必要に応じてマスクの着用をお願いします。

また、消臭とウィルス除去のためスプレー(リフガード)を車両へ設置しております。

※7、カリテコの新型コロナウィルス感染症対策について

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まとめ


カーシェア事業者各社の新型コロナウイルス感染症対策を見ると、オリックスカーシェアホンダ エブリゴーがクルマの除菌作業に力を入れたり清掃回数を増やしたりするなど、衛生強化策を打ち出していることが分かります。

また、各事業者とも、クルマに除菌スプレーやアルコール除菌シートを搭載しています。

各事業者とも、利用者が安心して利用できるための施策を打ち出しているので、利用者としても安心できると思います。

もちろん、上で述べたように、利用者自身による感染症対策が最も重要になるとは思います。

プライベートな所有物でない限り、外出すれば新型コロナウイルスによる感染リスクがゼロというサービスや商品は存在しません。

それはカーシェアも同様です。

人々が使用するサービスや物には、少なからずリスクがあります。

しかし、そのリスクを正しく回避する対策を行っていれば、新型コロナウイルスに感染するリスクを低く抑えることができるでしょう。

「新しい生活様式」などのwithコロナ時代の行動変容が推奨される現在、利用者の側も意識変革を行い、対策を講じることで、ゼロリスクではなくても安心・安全にカーシェアを利用することができると思います。

みなさんもぜひ、カーシェアを利用する際は、上に挙げた注意点を踏まえた対策を行って利用してください。