カーシェアリング市場動向
2021年第四四半期:主要6社

主要6社合計ステーション数は18,537箇所と微増。
車両台数は35,467台と2019年第四四半期水準まで減車。

カーシェアの情報比較サイト「カーシェアリング比較360°」( http://www.carsharing360.com ) がカーシェアリング市場を独自に集計したデータ(主要6社)によると、2021年第四四半期(2021年10月~12月)のステーション数は2021年9月末に比べ1.3%増設、一方の車両台数は1.8%減車であることがわかった。

2021年第三四半期(対2021年第二四半期 ステーション数:2.8%増、同車両台数:0.3%増)のステーション数に引き続き、今期も再び増加し、2020年第二四半期並みまで回復した。一方、車両台数は都道府県によって状況は異なるが、全体数では減少に転じ2019年第四四半期水準まで減車した。

主要6社における合計ステーション数は18,537箇所、車両台数は35,467台。事業者別に見ると、ステーション数において前期増加に転じたタイムズカーが今期も97箇所増設した。車両台数については、大幅800台以上の減車となったが、不動の業界第1位に変わりなく、独走状態が続いている。
車両台数が前期175台増車であった第2位のカレコ・カーシェアリングクラブは、今期は112台増車し、ステーション数も堅調で、88箇所増の3,021箇所と3,000箇所達成した。
前期10台減車した第3位のオリックスカーシェアは、今期車両台数を32台増やし2,564台と1.3%となり、ステーション数については、33箇所増設した(1,621箇所)。

今期のカーシェア業界トピックスは、オリックスカーシェアが会津若松市でワンウェイ方式のカーシェアサービスを一般開放。カレコ・カーシェアリングクラブが日産「フェアレディZ」、トヨタ「ヤリスクロスHYBRID」を導入するなど、引き続きサービスの積極展開をみせた。一方、タイムズカーのパーク24が116億円の最終赤字を発表し、コロナ禍における外出控えのインパクトの大きさが浮き彫りとなった。
例年とは異なるインフラの増減状態がつづくカーシェア業界であるが、公共交通機関を代替する非対面の移動手段として再注目を浴びている。今後、さまざまな利用者ニーズに対応したサービス提供へ向けて、各社の動きはますます活発になっていくことだろう。

主要6社のステーション数、車両台数の推移は以下の通り。

1) サービス提供会社別 ステーション数推移(主要6社 2021.10~12)

2) サービス提供会社別 車両台数推移(主要6社 2021.10~12)

3) 都道府県別 ステーション数推移(主要6社 2021.10~12)

4) 都道府県別 車両台数推移(主要6社 2021.10~12)

【2021年第四四半期主要トピックス】

オリックスカーシェアが会津若松市でワンウェイ方式のカーシェアサービスを一般開放

10月20日より、オリックスカーシェアが、福島県会津若松市にて、ワンウェイ(乗り捨て)方式のカーシェアリングサービスを一般向けに開始した。
ワンウェイ方式カーシェアリングは、借受場所とは違うステーション(駐車場)で車両を乗り捨て(返却)可能なサービスで、従来のラウンドトリップ方式と比べ、より利便にご利用いただける点が特徴。オリックス自動車は、これまで会津若松市にあるICT(情報通信技術)オフィスビル「スマートシティAiCT(アイクト)」内と郡山駅周辺の2拠点にワンウェイカーシェア対応のステーションを設置し、AiCT入居企業などに利用者を限定した実証実験を行ってきた。この結果、一定の利用ニーズの蓄積とワンウェイ方式の運営体制を確認できたため、新たに会津大学と会津若松駅周辺に2拠点を追加し、一般向けにサービス提供を開始した。

パーク24が116億円の最終赤字

タイムズカーを運営するパーク24株式会社は、長引くコロナ禍により、駐車場の稼働が回復せず、2021年10月期(連結)の最終利益が116億5800万円の赤字となった。最終赤字は2期連続で、コロナ禍で外出控えが進み、駐車場の稼働が低迷したほか、カーシェアの「タイムズカー」の回復も遅れた模様。

カレコ・カーシェアリングクラブが日産「フェアレディZ」、トヨタ「ヤリスクロスHYBRID」を導入!
今期も新車種の導入に積極的

カレコ・カーシェアリングクラブは、12月から東京都内3箇所のステーションにトヨタ ヤリスクロスHYBRIDを導入した。「リパーク成城7丁目」・「リパーク世田谷新町2丁目」・「アーバイル目白台」等に設置された車両は、車種クラス「ベーシック」として利用が可能。11月からは「プレミアム」で日産「フェアレディZ」も導入済で、今期も積極的に新車種を展開。前期第三四半期は名古屋市内への進出も開始され、車両台数も増加したカレコは、引き続き積極的に新車種を導入していくことが予想される。