カーシェアリング市場動向
2022年第一四半期:主要5社

主要5社合計ステーション数は1.6%伸長。
車両台数も首都圏を中心に増車が進み、36,178台と増加傾向。

カーシェアの情報比較サイト「カーシェアリング比較360°」( http://www.carsharing360.com ) がカーシェアリング市場を独自に集計したデータ(主要5社)によると、2022年第一四半期(2022年1月~3月)のステーション数は2021年12月末に比べ1.6%増設、車両台数は2.5%増車であることがわかった。
2021年第四四半期に引き続き、ステーション数は今期も堅調に増加。また前期減少傾向を示した車両台数も都道府県レベルではバラつきがあるものの全体としては増加に転じた。

主要5社における合計ステーション数は18,700箇所、車両台数は36,178台。事業者別に見ると、ステーション数において前期97箇所増加のタイムズカーが今期も97箇所増設した。車両台数については、前期大幅800台以上の減車となったが、今期400台以上の増加となり不動の業界第1位に変わりなく、独走状態が続いている。
車両台数が前期112台増車であった第2位のカレコ・カーシェアリングクラブは、今期429台大幅増車し、ステーション数も堅調で153箇所増の3,174箇所となった。
前期32台増車した第3位のオリックスカーシェアは、今期車両台数を27台増やし2,591台と1.1%増で、ステーション数については31箇所増設した(計1,652箇所)。

今期のカーシェア業界トピックスは、楽天グループがオリックスカーシェアと提携し「楽天カーシェア」の提供を開始。カレコ・カーシェアリングクラブがホンダ「新型ヴェゼル」、三菱「エクリプス クロスPHEV」を導入するなど、引き続き新車種導入の積極展開をみせた。また昨年116億円の最終赤字を発表したパーク24のタイムズカーは、オプションの乗り捨てサービスを神奈川県・大阪府内12ステーションへの拡充を発表した。
これまでコロナ禍における外出控えがカーシェア業界へ与えたインパクトは大きかったが、その反動により外出規制が解除された今は、旅行、ドライブ等の車での外出機運は上がってきている。行楽シーズンを迎える第二四半期は、さまざまな利用者ニーズに対応したサービス提供へ向けて、各社の動きはますます活発になっていくことだろう。

主要5社のステーション数、車両台数の推移は以下の通り。
※今回の2022年第一四半期集計より、「earthcar」を除き5社での集計に変更。

1) サービス提供会社別 ステーション数推移(主要5社 2022.1~3)

2) サービス提供会社別 車両台数推移(主要5社 2022.1~3)

3) 都道府県別 ステーション数推移(主要5社 2022.1~3)

4) 都道府県別 車両台数推移(主要5社 2022.1~3)

【2022年第一四半期主要トピックス】

楽天グループが「オリックスカーシェア」と提携し「楽天カーシェア」の提供を開始

楽天グループは3月1日から、オリックスカーシェアと提携し、カーシェア予約サービス「楽天カーシェア」の提供を開始した。
利用者は楽天IDを利用し、楽天カーシェアでオリックスカーシェアが展開する全国約1700カ所のカーステーションの予約から決済までが可能となった。楽天会員はオリックスカーシェアを楽天カーシェア専用プランで利用可能。初めてのユーザーでも不安なくカーシェアを利用できるよう、通常の補償に加えて、タイヤパンク、鍵のインロック、ガス欠での現地給油、事故や故障時の代車費用などを無償でサポートを行う。
カーシェア利用金額100円あたり1ポイントの「楽天ポイント」を付与し、また楽天ポイントをカーシェア料金の支払いに利用できる。
今後はさらに別のカーシェア事業会社とも提携し、サービス拡大を図っていく模様。

「タイムズカー」、オプションの乗り捨てサービスを拡充(神奈川県・大阪府12ステーション)

タイムズカーでは一部の空港駐車場または空港近くのタイムズカー店舗などのステーションにおいて、出発時と異なるステーションに車両を返却できる「乗り捨て」をオプションサービスとして展開してきたが、新たに横浜駅や川崎駅、宮前平駅、なんば駅など新横浜駅・新大阪駅からクルマで30分圏内にある駅付近のステーションも乗り捨て対象のステーションに設定した。旅行や出張からの帰宅際にも、深夜・早朝問わず自宅や会社までの移動にタイムズカーを利用しやすくなった。
対象ステーションは、神奈川県・大阪府内合わせて12ステーションだが、利用動向を見つつ、オペレーション体制の構築を図りながら拡大を検討していく。

「カレコ・カーシェアリングクラブ」がホンダ「新型ヴェゼル」、三菱「エクリプス クロスPHEV」を導入!今期も新車種を積極導入展開

カレコ・カーシェアリングクラブは、1月から東京都内3箇所のステーションにホンダ「新型ヴェゼル」を導入した。
「リパーク高輪三丁目第7」・「リパーク豊洲6丁目」・「リパークロッテ歌舞伎町第3」等に設置された車両は、車種クラス「ミドル」として利用が可能。3月からは「プレミアム」で三菱「エクリプス クロスPHEV」も導入済で、今期も積極的に新車種を展開。ステーション、車両台数ともに拡充を継続中のカレコは、引き続き積極的に新車種を導入していくことが予想される。