
タイムズ単独で会員数100万人を達成!
ステーション数・車両台数は、前年同様の高い伸長率で安定成長を持続!
カーシェアリング利用者は150万人超に!?
カーシェアの情報比較サイト「カーシェアリング比較360°」(https://www.carsharing360.com)が、カーシェアリング市場を独自に集計したデータ(主要5社)によると、2018年12月時点のステーション数は2017年12月時点に比べ14.2%増加、ステーション車両台数は19.0%増加していることがわかった。
2017年の対前年伸長率(ステーション数:16.8%増加、ステーション車両台数:21.8%)に比べて、2018年はステーション数、ステーション車両台数ともに伸長率が若干低かったものの、順調に拡大が続いている。また2017年と同様、ステーション数に比べると車両台数の伸長率が大きく、ステーション単位での利用者数や利用頻度は引き続き増加しているものと思われる。
カーシェアの利用者数は2018年3月時点で130万人の大台を突破し、2018年中に150万人に達したものと思われるが、詳細な実数については、公益財団法人 交通エコロジー・モビリティ財団発表を待ちたい。
主要6社(※)のステーション数は15,000箇所を突破し、2017年12月末から約2,000箇所増加した。また車両台数は約5,000台増加しており、30,000台を超えた。
各サービス提供会社の状況としては、2018年7月に会員数100万人を達成した首位「タイムズ カー プラス」が今期も好調を維持し、ステーション数11,420箇所、車両台数23,639台にまで増やした。2017年時点で業界3位であった「カレコ・カーシェアリングクラブ」は、前年と比べステーション数で34.3%増、車両台数で42.5%増と昨年同様の大幅な増加を記録し、2018年には「オリックスカーシェア」を抜き去って業界第2位に躍り出るなど、カーシェアリング業界内で大きなインパクトを与えた。
また、カーシェアリング日本初の事業化から16年目を迎えた業界パイオニアの「オリックスカーシェア」は、4月から東北エリア(青森・岩手・宮城・福島の4県)でカーシェアリングサービスを開始し、「タイムズ カー プラス」は新橋などで道路上のステーションを開設、「カレコ・カーシェアリングクラブ」は月会費無料プラン提供を開始するなど、大手3社ともサービス内容の充実化に注力した。これにより、消費者にとってはますますカーシェアリングを利用しやすい環境が整ったといえる。
2018年は、ステーション数・車両台数ともに昨年同様の高い伸長率で安定成長を持続した年でもあった。
上記と重複する内容もあるが、ここで2018年を総括してみよう。
※2018年11月に「ホンダ エブリゴー」を追加しました。
【2018年主要トピックス】
1.ステーション数は14.2%、車両台数は19.0%伸長!
前年同様の高い伸長率を持続し、市場はますます成長
2018年は、ステーション数と車両台数の増加で、前年同様の高い伸長率を持続し、ステーション数が前年比14.2%増加、車両台数が19.0%増加と順調に拡大は続いており、市場はまだ成長期が続いていることがうかがえた。
急激なインフラ拡大期を終え、カーシェアリング市場自体が安定成長期に入った2013年以降は、各サービス提供会社とも利用ニーズの高いエリアにおいてドミナント方式による新規ステーション開設や、一ステーションあたりの車両増設へとシフトしていったが、2018年は「タイムズ カー プラス」が前年同様インフラ拡張を継続(ステーション数伸び率12.5%、車両台数伸び率17.7%)、2017年4月付けで三井不動産リアルティに吸収合併されたカレコは事業拡大の加速化によりステーション数・車両台数ともに前年同様の大幅増(ステーション数伸び率34.3%、車両台数伸び率42.5%)、オリックスはステーション数6.4%、車両台数伸び率6.7%と前年同様の伸長率で増加し、三事業社ともにインフラ拡大傾向を示した。
2020年までに車両台数30,000台を目指す「タイムズ カー プラス」だけでなく2017年に関西初進出も果たしたカレコも都内で積極的にステーション数と車両台数を増加していることから、2020年に向けて2019年も2018年同様ステーション数と車両台数はともに増加がつづくものとみられる。
2.タイムズ カー プラスが会員数100万人を突破!
カーシェア利用者数全体では150万人に!
ステーション数・車両台数共に業界トップを走る「タイムズ カー プラス」の会員数は、2018年7月に100万人に到達したことが分かった。「タイムズ カー プラス」の会員数増加はまだまだ続いており、2018年中に110万人を突破することが見込まれる。また、「オリックスカーシェア」は、2018年3月時点で会員数が約19万人となり、2017年3月から約2万人増加した。会員数では業界第3位の「カレコ・カーシェアリングクラブ」は多様な車種の導入と「スマートで楽しいライフスタイル提案」という独自路線により、2018年3月時点で会員数が7万3千人、2018年中に8万人に達したものと予想される。これにより、大手三社だけで会員数が137万人に到達し、名鉄協商のカリテコとアースカーを含めた主要5社では140万人を突破したものと思われる。業界全体では、2018年末段階で150万人程度ではないだろうか。(交通エコロジー・モビリティ財団の発表によると、2018年3月時点でのカーシェアリング会員数は業界全体で1,320,794人とのこと。)
これにより日本の人口に占める会員数の割合は2017年3月の0.85%から1.18%まで上昇した。かつてのカーシェアリング後進国であった日本は、いまや世界第2位のカーシェアリング普及国としてカーシェリング先進国のスイス(1.31%、2012年時点)に迫る勢いを見せている(※注)。
会員数の増加では、2017年も単年で約20万人を増やした「タイムズ カー プラス」の独走状態となったが、短時間利用で業界最安値料金の「カレコ・カーシェアリングクラブ」も健闘しており、「オリックスカーシェア」と「カレコ・カーシェアリングクラブ」が首位「タイムズ カー プラス」を追いかけるという上位三強の図式に変わりはない。
こうした3強体制は2019年も継続すると思われ、三事業者を中心に会員数も増加傾向で推移していくものと予測される。
※参考:交通エコロジー・モビリティ財団「わが国のカーシェアリング車両台数と会員数の推移」
3.ステーション数と車両台数で業界第2位と第3位が逆転!
カレコ・カーシェアリングクラブがオリックスカーシェアを抜く!
「カレコ・カーシェアリングクラブ」は、2018年3月にステーション数が1,663箇所となり、ステーション数で「オリックスカーシェア」の1,654箇所を抜いた。また、同3月には車両台数でも2,793台となり、「オリックスカーシェア」の2,703台を抜く結果となった。これにより、これまでステーション数と車両台数で業界第3位であった「カレコ・カーシェアリングクラブ」は「オリックスカーシェア」を抜いてついに業界第2位に躍り出た。
その後も「カレコ・カーシェアリングクラブ」はステーション数・車両台数ともに順調に増加し、2018年12月時点でステーション数が2,022箇所、車両台数が3,471台となり、同年12月時点でステーション数1,737箇所、車両台数2,884台であった「オリックスカーシェア」に対して大きく水をあけ、業界第2位の地位を盤石なものとしている。
ただし、会員数を見ると2018年3月時点で「オリックスカーシェア」が193,182人であるのに対して、「カレコ・カーシェアリングクラブ」は73,592人と10万人以上も離されており、会員数も含めた実質的な順位ではいまだ業界第2位の位置を確立しているわけではない。「カレコ・カーシェアリングクラブ」にとって、業界のパイオニアである「オリックスカーシェア」はまだまだ追いかけていかなければならない存在であると言えるだろう。
とはいえ、「オリックスカーシェア」としても、うかうかしてはいられない。「5」でも触れるが、「オリックスカーシェア」が業界で先駆けて実施していた「月会費無料プラン」を、2018年に「カレコ・カーシェアリングクラブ」も導入したのは「オリックスカーシェア」にとっても脅威であろう。「月会費無料プラン」に加えて、今後ステーション数と車両台数がますます増加していけば、「カレコ・カーシェアリングクラブ」の利便性はさらに向上し、それに比例した利用者の増加も見込まれるため、そう遠くない将来に会員数でも順位の逆転が生じると予測される。なお、「カレコ・カーシェアリングクラブ」は2019年中に会員数を16万人にまで増やす予定である。
4.ホンダ、日産らメーカー勢のカーシェアサービスが勢力拡大!
ホンダ「エブリゴー」は、ステーション数で既に業界5位に迫る!
2018年はホンダ、日産らメーカー勢の勢力拡大が目立った1年であった。まずホンダは、カーシェアリングサービス「エブリゴー」のステーションを商業施設や観光地にまで拡大。これまで「エブリゴー」のステーションは販売店やコインパーキングなどに設置していたが、2018年はショッピングモールなどの商業施設やリゾート地、駅前駐車場といったカーシェア需要が高い場所での開設に方向転換した。昨秋の「ツナシマ・サスティナブル・スマートタウン(横浜市港北区)」でのステーションの新設は業界内で特に大きな話題を呼んだ。また、今後は仙台や博多といった大都市圏以外の地方都市での展開も検討しており、全国展開に打って出る者と思われる。
ホンダは「エブリゴー」のサービスを2017年11月に開始し、2018年10月時点のステーション数は約100箇所で、既に業界第5位の「アース・カー」に迫る勢いを見せている。また会員数も既に13,000人に達している。今後は車種のバリエーションも拡充する予定で、現在はN-BOXやフィットといったコンパクトカーが大半を占めているが、シビックやS600など、ホンダ車の魅力を凝縮した車種を導入していく。
日産自動車のカーシェアリングサービス「日産eシェアモビ」はサービス開始から半年を経過した時点で、ステーション数を全国13都府県で46箇所にまで増やした。同社は今年度内に全国500箇所までステーション数を増設する予定。車種にも力を入れ、夏には「リーフ」「ノートeパワー」「セレナeパワー」を導入した。
5.カレコ・カーシェアリングクラブが月会費無料プラン提供を開始!
入会ハードルを下げて、ライトユーザー取り込み!
三井不動産リアルティが運営する「カレコ・カーシェアリングクラブ」が、2018年4月24日よりカーシェアリングサービスで月会費無料プランの提供を開始した。月会費無料プランは、いち早くオリックスカーシェアが提供していたが、カレコも同等のプランを導入し、入会ハードルを下げることで、ライトユーザー取り込み施策を展開した。
月会費無料プランでの利用料金は、ベーシックプラン(月会費980円)に比べて「ミドルクラス」の利用料金(10分)で40円、距離料金(1㎞)で2円高く設定した。
各サービス提供会社がカーシェア用車両台数・ステーション数の増加で競っているなか、カレコの新プランの導入により、会員獲得においてもいっそう競争が激しくなった。この状況は、2019年も続くものと予想される。
【免責事項】
※このデータは、「カーシェアリング比較360°」(株式会社ジェイティップス運営)が独自に収集したデータをもとに構成されています。
※各カーシェアリング提供会社の公式発表データではありませんのでご了承ください。
【当資料の取扱いについて】
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