全国47都道府県すべてにステーション設置が完了!
ステーション数・車両数は、前年同様に高い伸長率で安定成長を持続。
カーシェアリング利用者100万人時代へ突入!
カーシェアの情報比較サイト「カーシェアリング比較360°」(https://www.carsharing360.com)が、カーシェアリング市場を独自に集計したデータ(主要5社)によると、2017年12月時点のステーション数は2016年12月時点に比べ16.8%増加、ステーション車両台数は21.8%増加していることがわかった。
2016年の対前年伸長率(ステーション数:17.5%増加、ステーション車両台数:24.0%)に比べて、2017年はステーション数、ステーション車両台数ともに伸長率が若干低かったものの、順調に拡大が続いている。また2016年と同様、ステーション数に比べると車両台数の伸長率が大きく、ステーション単位での利用者数や利用頻度は引き続き増加しているものと思われる。
カーシェアの利用者数は100万人の大台を突破し、120万~130万人程度に達したものと思われるが、詳細な実数については、公益財団法人 交通エコロジー・モビリティ財団発表を待ちたい。
主要5社のステーション数は13,000箇所を突破し、2016年12月末から約2,000箇所増加した。また車両台数は4,000台以上増加しており、25,000台を超えた。
各サービス提供会社の状況としては、2017年3月に会員数が約78万人まで到達した首位「タイムズ カー プラス」が今期も好調を維持し、2017年には20,000台にまで増やした。業界3位の「カレコ・カーシェアリングクラブ」は、前年と比べステーション数で45.4%増、車両台数で59.5%増と昨年同様の大幅な増加を記録し、業界2位の「オリックスカーシェア」に肉薄する勢いを見せるなど、カーシェアリング業界は話題に事欠かない1年であった。
また、カーシェアリング日本初の事業化から15年目を迎えた業界パイオニアの「オリックスカーシェア」は、これまで月額2,000円で提供していた個人Aプランの料金を980円に値下げし、「タイムズ カー プラス」は9月7日に佐賀県に新規ステーションをオープンしたことにより全国47都道府県においてステーション設置を実現、「カレコ・カーシェアリングクラブ」は三井不動産リアルティによる吸収合併により関西エリアに進出するなど、大手3社ともサービス内容の充実化に注力した。これにより、消費者にとってはますますカーシェアリングを利用しやすい環境が整ったといえる。
2017年は、ステーション数・車両台数ともに昨年同様の高い伸長率で安定成長を持続した年でもあった。
上記と重複する内容もあるが、ここで2017年を総括してみよう。
【2017年主要トピックス】
1.ステーション数は16.8%、車両台数は21.8%伸長!
前年同様の高い伸長率を持続し、市場はますます成長
2017年は、ステーション数と車両台数の増加で、前年同様の高い伸長率を持続し、ステーション数が前年比16.8%増加、車両台数が21.8%増加と順調に拡大は続いており、市場はまだ成長期が続いていることがうかがえた。
急激なインフラ拡大期を終え、カーシェアリング市場自体が安定成長期に入った2013年以降は、各サービス提供会社とも利用ニーズの高いエリアにおいてドミナント方式による新規ステーション開設や、一ステーションあたりの車両増設へとシフトしていったが、2017年は「タイムズ カー プラス」が前年同様インフラ拡張を継続(ステーション数伸び率15.7%、車両台数伸び率21.3%)、三井不動産リアルティに吸収合併されたカレコは事業拡大の加速化によりステーション数・車両台数ともに前年を上回る大幅増(ステーション数伸び率45.4%、車両台数伸び率59.5%)、オリックスはステーション数9.5%、車両台数伸び率7.8%と前年同様の伸長率で増加し、三事業社ともにインフラ拡大傾向を示した。
2020年までに車両台数30,000台を目指す「タイムズ カー プラス」だけでなく2017年に関西初進出も果たしたカレコも都内で積極的にステーション数と車両台数を増加していることから、2018年も2017年同様にステーション数、車両台数ともに増加がつづくものとみられる。
2.大手三社の会員数が100万人を突破!
カーシェア利用者数全体では推定120万~130万人規模へ
ステーション数・車両台数共に業界トップを走る「タイムズ カー プラス」の会員数は、2017年3月時点で約78万人であることが分かった。既に80万人を突破していることは確実だが、単独一社100万人にどこまで迫ったのか興味深い。また、「オリックスカーシェア」は、2017年3月時点で会員数が17万人と少し足踏み状態。業界第3位の「カレコ・カーシェアリングクラブ」は多様な車種の導入と「スマートで楽しいライフスタイル提案」という独自路線により、2017年3月時点で会員数が5万7千人、2017年中に6万人に達したものと予想される。これにより、大手三社だけで会員数が100万人を超え、名鉄協商のカリテコとアースカーを含めた主要5社では約105万人に到達した。業界全体では、2017年末段階で120万~130万人程度ではないだろうか。(交通エコロジー・モビリティ財団の発表によると、2017年3月時点でのカーシェアリング会員数は業界全体で1,085,922人とのこと。)
これにより日本の人口に占める会員数の割合は2016年3月の0.66%から0.85%まで上昇した。かつてのカーシェアリング後進国であった日本は、いまや世界第2位のカーシェアリング普及国としてカーシェリング先進国のスイス(1.31%、2012年時点)に迫る勢いを見せている(※注)。
会員数の増加では、2017年も単年で約18万人を増やした「タイムズ カー プラス」の独走状態となったが、短時間利用で業界最安値料金の「カレコ・カーシェアリングクラブ」も健闘しており、「オリックスカーシェア」と「カレコ・カーシェアリングクラブ」が首位「タイムズ カー プラス」を追いかけるという上位三強の図式に変わりはない。
こうした3強体制は2018年も継続すると思われ、三事業者を中心に会員数も増加傾向で推移していくものと予測される。
※参考:交通エコロジー・モビリティ財団「わが国のカーシェアリング車両台数と会員数の推移」
3.タイムズ カー プラスが佐賀県に新規ステーションをオープン
業界初、全国47都道府県すべてにステーションを配備!
47都道府県で最後のカーシェア空白県であった佐賀県に9月7日、「タイムズ カー プラス」が新規ステーションをオープンした。これにより、全国47都道府県のすべてにおいてカーシェアステーションの設置が完了し、2017年は日本で「オリックスカーシェア」がカーシェアリングを事業化して以来の記念すべき年となった。しかも「タイムズ カー プラス」は一事業者で47都道府県制覇を成し遂げたことから、カーシェア市場における「タイムズ カー プラス」の圧倒的存在感を印象づけたトピックスでもあった。
他にも、タイムズ カー プラスは7月にスウェーデンの家具小売りIKEA(イケア)全店舗におけるカーシェアリングサービスの提供開始や仙台交通局のICカード乗車券「icsca」によるカーシェアの施解錠サービス(仙台市内の車両に限る)の提供開始など、サービス内容充実の点でも、業界をけん引した一年であった。
4.オリックスカーシェアが個人Aプランの月額基本料を51%値下げで980円に!
カレコは料金プランを見直し!
2017年は前年同様、インフラの拡張によってカーシェアの利便性がますます向上したが、「オリックスカーシェア」と「カレコ・カーシェアリングクラブ」による価格改定によって、利用料金の点でもカーシェアがさらに利用しやすくなった年であったといえる。
まず「オリックスカーシェア」は2017年4月、”カーシェアリング日本初の事業化”から15年目を迎える記念として、個人Aプランの月額基本料金2,000円を980円に大幅値下げした。これにより、大手三社の月額基本料金はほぼ横一線(「タイムズ カー プラス」(1,030円)、「カレコ・カーシェアリングクラブ」(980円))となり、今後は各社とも会員獲得に向けたサービス内容の差別化にますます注力していくことが予想される。
また、車種で豊富なラインナップを誇る「カレコ・カーシェアリングクラブ」は、「プレミアムクラス」に分類されていた人気のメルセデス・ベンツ(AMG45を除く)をこれまでよりも安価で利用できる「ベンツクラス」を新設した。例えば、「ベンツクラス」を6時間パックで利用した場合、プレミアムクラスと比べて2,500円も割引となる。
これらの料金改定で新規カーシェアユーザーの入会ハードルが下がったことにより、カーシェア市場はもう一段大きくなっていくと考えられる。
5.カレコ、三井不動産の吸収合併によりカーシェア事業を加速的に拡大!
関西エリアにもサービス展開を開始!
三井不動産リアルティは、2017年4月付けで、「カレコ・カーシェアリングクラブ」を吸収合併した。この合併により、三井不動産リアルティは「三井のリパーク」ブランドで展開する駐車場事業とカーシェアリング事業を密に連携し事業を加速的に拡大。2017年単年で、「三井のリパーク」を中心に、前年比45.4%増の約1,500ステーションと大きく展開し、車両台数も約2,400台(前年比59.5%増)と業界第2位のオリックスカーシェアに肉薄した。
また、2017年1月からは、関西エリアへの展開を試験的に行い、合併以降はステーションの順次開設、車両の設置が行われ、本格的に関西エリアへの進出を果たしている。
これまでカーシェアリングの利用は東京近郊が中心であったが、「タイムズ カー プラス」の47都道府県ステーション開設制覇や、「カレコ・カーシェアリングクラブ」の関西進出により、地方への展開が大きく前進した年となった。
【免責事項】
※このデータは、「カーシェアリング比較360°」(株式会社ジェイティップス運営)が独自に収集したデータをもとに構成されています。
※各カーシェアリング提供会社の公式発表データではありませんのでご了承ください。
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