ステーション数・車両台数ともに過去最高を更新、市場規模は7万台を突破
タイムズカーの一極集中が加速、地方・観光ニーズへの対応が成長の鍵に
カーシェアの情報比較サイト「カーシェアリング比較360°」(https://www.carsharing360.com)が独自に集計したデータ(主要5社)によると、2025年12月時点のステーション数は前年比20.3%増 、車両台数は18.6%増を記録しました 。この結果、市場全体のステーション数は32,000箇所を超え 、車両台数はついに7万台の大台を突破 。前年に続き、市場は力強い拡大を維持しています。
2025年の市場を牽引したのは、業界第1位のタイムズカーです 。同社はステーション数を30.2% 、車両台数を25.0%増加させ 、圧倒的な規模で他社を引き離しています。一方で、第2位の三井のカーシェアーズはステーション数を13.1% 、車両台数を11.1%減らしており 、大手各社の中でも戦略の明暗が分かれる年となりました。また、オリックスカーシェアはステーション数が小幅な減少にとどまる一方、車両台数は5.3%増と堅調な推移を見せています 。
この成長を支えた主な要因は以下の通りです:
- 「移動のシームレス化」と観光MaaSの普及:主要駅や空港周辺のステーション拡充により、旅行先での「二次交通」としての利用が定着 。
- 地方・中核都市での展開加速: 広島県(ステーション数49.1%増) や福岡県(車両台数32.9%増) など、都市部以外のニーズを積極的に取り込み。
- EV・ハイブリッドの最適配置:環境志向の利用者向けに最新EVやハイブリッド車を戦略的に配備し、車両ラインナップを多様化。
一方で、急速な拡大に伴う課題も浮き彫りとなっています。市場全体の拡大とは裏腹に、一部の地域では調整局面も見られ 、さらに「利用料金の納得感」や「予約の取りづらさ」から顧客満足度が2年連続で低下するなど、サービス品質の維持が業界全体の大きな課題となっています。
総括すると、2025年のカーシェア市場は、生活・観光インフラとして確固たる地位を築き、車両台数7万台という新時代に突入しました。今後は、量的拡大だけでなく、AIを活用した車両配置の最適化や顧客体験の向上といった「質的な進化」が、さらなる成長の鍵を握ることになるでしょう。
2025年のカーシェア業界主要トピックスは以下の通りである。
【2025年主要トピックス】
1. 「移動のシームレス化」と観光MaaSの本格普及
2024年に始まったライドシェアとの連携は、2025年に入り「単なる試験運用」から「公共交通を補完する標準サービス」へと昇華しました。
特に顕著なのが、鉄道・航空とカーシェアをシームレスにつなぐ観光MaaS(Mobility as a Service)の一般化です。タイムズカーや三井のカーシェアーズ(旧カレコ)は、主要駅や空港周辺のステーションを大幅に拡充。2025年3月末時点で、国内のカーシェア会員数は560万人を突破し、旅行先での「二次交通」としての地位を不動のものにしました。
また、地方自治体との連携も深化しています。富岡市や長野市などの成功例に続き、2025年には「シェアリングシティ」を推進する自治体が200を超え、公用車の夜間・休日カーシェア開放や、過疎地での「共助型ライドシェア」とカーシェアのセット導入が加速。移動困難地域の解消に向けた現実的なソリューションとして機能し始めています。
2. EV・ハイブリッド混合フリートと充電インフラの多角化
環境意識の高まりを受け、2025年の車両導入戦略は、従来のガソリン車中心から「EV・HV(ハイブリッド)の最適配置」へと明確にシフトしました。
トヨタの「bZ4X」やホンダの軽EV「N-ONE e:」などが積極的にラインナップに追加される一方で、課題となっていた充電インフラにも進展が見られます。カーシェア各社は、ステーション内に急速充電器を設置するだけでなく、自治体のCEV補助金を活用した「地域開放型充電スポット」としての役割も兼ね備えるようになりました。
一方で、純粋なEVシフトには慎重な動きも見られます。冬場の航続距離減少や長距離ドライブへの不安を抱えるユーザー向けに、最新のハイブリッド車を戦略的に配備。利用者の用途に合わせて「近距離はEV、遠出はHV」と使い分けられるハイブリッドなフリート構成が、2025年の業界スタンダードとなりました。
3. 顧客満足度の「2年連続低下」とサービス品質の再定義
市場が拡大し、車両台数が6.6万台を超える(主要5社合計)一方で、業界全体が直面しているのが顧客満足度の低下です。
J.D. パワーの「2025年カーシェアリングサービス顧客満足度調査」によると、総合満足度は667ポイントと、前年の690ポイントからさらに23ポイント低下。2年連続のダウンとなりました。特に「各種料金」への評価が厳しく、物価高に伴う実質的な値上げや優待の縮小がユーザーの納得感を損なっている形です。
また、利用者が集中する観光地や駅近ステーションでの「空車不足」も深刻化しており、「使いたい時に使えない」という利便性の低下がスコアに直結しています。こうした中、TOYOTA SHAREが4年連続で満足度1位を獲得。「車両の清掃状態」や「予約のしやすさ」といった、基本品質の徹底が改めて評価される結果となりました。2025年後半は、量的な拡大から「質的な改善」へと舵を切る事業者が増えています。
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※このデータは、「カーシェアリング比較360°」(株式会社ジェイティップス運営)が独自に収集したデータをもとに構成されています。
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